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福岡四人組保険金連続殺人

福岡県久留米市で、四人組の看護婦が保険金目当てに起こした連続殺人事件。

犯人の四人は、同じ看護士学校を卒業した看護婦仲間で、四人のトップに君臨した吉田純子は他の三人を召使のように操ったという。

出会い

昭和50年4月、吉田純子は佐賀女子高校衛生看護科に入学したものの、詐欺行為事件を起こして正看護婦の資格取得課程に進学できなかった。

正看護婦資格のために聖マリア看護専門学校に入学した純子は、ここで池上和子や石井ヒト美と知り合い、一年後に幼少期からの同級生の堤美由紀と再会する。

先生

看護専門学校を卒業した後、吉田純子と堤美由紀は疎遠になっていたが、平成元年に美由紀が転職したのを聞きつけ、純子と美由紀は8年ぶりに再会する。

再会後、美由紀の職場の病院に純子が転職して二人は同じ病院で働くようになる。

当時、不倫に悩んでいた美由紀が純子に相談するようになり、次第に美由紀は純子を頼るようになっていく。

学生時代から数々の嘘で周りを翻弄してきた純子にとって美由紀を信じさせることはたやすいことだった。「先生」という架空の人物を作り上げて言葉巧みに美由紀を操っていった。

 

純子と美由紀は、医療ミスで苦情がきたと嘘をついて同僚から500万円を騙し取ったり、ありとあらゆる嘘で美由紀から金を巻き上げていった。

美由紀は看護婦になってから、毎月3万円、ボーナス時には10万円を母親に仕送りしていたが、純子はその金にも目をつけ巻き上げていった。

 

しばらくすると、聖マリア看護専門学校時代の同級生、石井ヒト美と池上和子とも交流を再開するようになったが、純子にとって他の三人は金づるでしかなかった。

平成6年3月、石井ヒト美が夫と別居し、マンションを1,000万円で売却すると、吉田純子は石井ヒト美から金銭を騙し取ることを計画。言葉巧みにヒト美から750万円を騙し取った純子は池上和子を次のターゲットにして2,800万円を騙し取る。

第一の殺人

周りの人をだまして金銭を騙し取った純子だったが、高級エステに通い、高価な食事をし、高級ホテルに泊まったりと、金遣いが荒かったため、ローンやサラ金の借金は減らず、常に金には困っていた。

そこで、純子が思いついたのが保険金殺人だった。

 

最初のターゲットは、池上和子の夫、平田栄治だった。

和子は以前、同僚とのトラブルを純子に助けられて以来、純子を信じ切っていた。

純子は、和子に旦那から保険をかけられて殺そうとしているという作り話をする。

美由紀も加わり、言葉巧みに策を弄して和子を騙した。

 

平成10年1月、吉田純子、堤美由紀、池上和子の三人は、医療知識を使い、和子の夫、平田栄治の殺害計画を実行する。

21日の最初の決行は失敗に終わったが、23日午前2時、ビールで昏睡状態の栄治に近寄り、針を抜いては、空気を入れるという作業を続けて死に至らしめる。

2月19日、池上和子の銀行口座に夫の死亡保険金の3,498万7,378円が振り込まれ、3,450万円が純子に渡った。

第二の犠牲者

平田栄治殺害後、次に目を付けたのが石井ヒト美の夫、久門剛にかけられている3,300万円の生命保険だった。

石井ヒト美を騙すため、夫の久門剛が浮気相手に貢ぐためにあちこちで人を騙しているといった話を作り上げた。

次第にヒト美は純子の話を信じるようになり、3月27日、4人組は剛を急性アルコール中毒に見せかけて殺害した。

事件発覚

事件の発覚は、純子がヒト美の父親の土地を奪おうとしていることと、子供を施設に入れるように言ったことをヒト美が母親に相談したことから起きる。

ヒト美からの相談を受けた母親は、ヒト美の伯父にあたる人物に相談した。ヒト美は伯父に勧められて8月2日に久留米警察署に最初の相談に行く。

最初は夫殺しを伏せていたヒト美だったが、純子のことを思うと恐怖だったのだろう。

ヒト美は8月6日に伯父と一緒に久留米署へ駈け込んで夫殺しを自供する。

石井ヒト美は夫殺しを自供したが捜査は水面下で進められ、純子が逮捕されたのは翌年の4月17日だった。

こうして4人組は逮捕され、事件内容が一気に明るみになった。

 

純子は逮捕された後も塀の中から他の3人と接触を図ろうとしている。

判決

第一審では、吉田純子が死刑、堤美由紀が無期懲役、石井ヒト美が懲役17年の判決だった。

池上和子は判決前に病死している。

福岡地裁は控訴を棄却、純子はこれを不服として上告したが棄却され刑が確定した。

 

2016年3月25日、吉田純子の死刑が執行された。

 

 

文献

黒い看護婦 福岡四人組保険金連続殺人  森功