2013年10月17日の奇跡体験アンビリーバボーで放送したナゾのひき逃げ事件の概要。
事件の始まり
事件の始まりは、2002年2月9日深夜2時頃に起きたひき逃げ事件であった。
ひき逃げによって無職の男性・岡田博さん(57歳・仮名)が、自宅から500m離れた路上で死亡する。
岡田さんは、普段は酒を飲まなかったが、岡田さんの死体からは酒の匂いがしており、死体の周りにはトラックのガラスとみられる破片が散らばっていた。
翌日、ひき逃げ事件の現場の近くから1台のトラックが発見された。
現場に落ちていたトラックのガラス破片と一致したことから、ひき逃げに使われたトラックと断定された。
しかし、トラック運転手の捜索を始めたが行方がつかめなかった。
後日、ひき逃げに使われたトラックの運転手が、10キロほど離れた山の中で白いシートにくるまれ死体となって発見される。
死体を調べた結果、トラック運転手の死亡時刻が2月8日の午前0時と推定された。
これは、警察が怪しいと思って捜索していたトラック運転手は、岡田さんより先に殺されたということを意味していた。
関係者の状況
その後、捜査が進み、関係者の置かれた状況が分かってくる。
まず最初に、ひき逃げされた岡田さんの長男から、岡田さんは事業の失敗で借金を抱えていたことが判明し、事件当日は仕事を探しに行くところだった。
もう一人の被害者であるトラック運転手は、殺害された日の夜、仕事に備えて配送センター付近にトラックを停めていたことが聞き込みにより判明した。
ところが明け方に別のドライバーが確認すると、トラックと運転手はどこにも見当たらなかったという。
警察は、夜から明け方の間にトラック運転手に何かがあったと断定し、付近を調べてみると血痕があることを発見した。
警察は、真犯人がトラック運転手を殺害して山の中に遺棄し、トラックを奪って逃走中に岡田さんをひいたと仮説を立てる。
その後、1週間ほどが過ぎても犯人の有力な情報はなく、時間だけが過ぎていく。
岡田さんの長男による証言
そんな時、警察を訪れたのが、ひき逃げされた岡田さんの長男だった。
長男によれば、もしかしたら岡田さんは殺害されたのではないかとのことだった。
岡田さんがひき逃げにあう前日の夜、岡田さんは荷物を運ぶから手伝ってほしいと長男を呼び出した。
岡田さんから話を聞いた長男は、荷物運びのために軽トラックで待ち合わせ場所に駆けつけた。
岡田さんは、軽トラックに乗り、長男に「ちょっと待っててほしい」といってその場から立ち去った。
しばらくして岡田さんが軽トラックで戻ってくると、軽トラックには白いシートで包まれた荷物が積まれてあったという。
その後、親子は軽トラックで山の中に行き、途中で長男を軽トラックから下すと、岡田さんだけ軽トラックに乗って一方通行を逆走していった。
少しして岡田さんが長男のもとに戻ると、白いシートで包まれた荷物は乗ってなかったという。
翌日、岡田さんはひき逃げにあうことになる。
さらに翌日、長男が驚いたのは、岡田さんと軽トラックに乗って出かけた山中付近で白いシートに包まれた死体が発見されたからだ。
その後、長男は岡田さんの友人を名乗る「ムラオカ」という人物から電話を受けたことを語った。
長男は、岡田さんはムラオカに殺されたのではないかと証言する。
それを聞いた警察は、長男に事件の協力を要請する。ただ、長男の供述には曖昧な点がいくつかあったという。
ムラオカの正体
長男が警察に協力してから3日後、長男が自宅近くのマンションから飛び降り自殺する。
自宅から遺書が見つかり、そこには「自分は事件に関係ない。早く犯人を捕まえてほしい。」と書かれてあった。
家族によると長男は精神的に不安定であったという。
その後、警察は長男と親しくしていた女性に参考人として聞き込みを行った。
警察が女性にムラオカを知っているか聞くと、女性は最初は知らないと言ったが、態度が怪しかったため参考人として聴取した。
再度、警察が女性に対しムラオカを知っているか聞くと、女性は重い口を開き「知っている」と答えた。
警察がムラオカが誰か聞くと、「ムラオカさんはこの人です。」と言って写真を指差した。
女性が指さした写真は、岡田さんの写真だった。
そして、女性は事件の真相を話し出した。
事件の真相
女性は、事件の真相を語りだした。
岡田さんは事業の失敗によって1億円以上の借金があり、毎月の返済は160万円にも及んでいた。
そこで岡田さんは、自分に掛けてある生命保険を利用して借金の返済をすることを計画する。
岡田さんは、長男を呼び出し、計画を打ち明けると、長男に実行犯を頼んだ。
まず、誰でもいいからトラック運転手を殺害してトラックを入手する。
そして、トラック運転手の死体を山中に遺棄する。
その後、長男が父親の岡田さんをトラックでひき殺して保険金を受け取るというものだった。
なぜひき逃げかというと、交通事故の場合に多く保険金を受け取れる特約が付いていたためだった。
その後長男は、遺体を遺棄した現場付近には監視カメラが設置しているという情報を得る。
監視カメラに親子の姿が映っているのではと不安に思った長男は、ムラオカという架空の人物をでっちあげる。
警察の目を欺くために生まれたのがムラオカだった。
その後、自宅捜索で岡田さんが長男に宛てた手紙が発見された。
そこには「お前に責任はない。」と書いてあった。
- 家族のために自分の命をかけた岡田さんだったが、結果としては、罪のないトラック運転手の命を奪い、愛する長男も自殺し、残された家族の未来も奪うものだった。