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「蟹江一家殺傷事件」は、2009年5月に愛知県蟹江町で起きた強盗殺人事件。

犯人の林振華(りんしんか)は、事件当時中国からの留学生だった。

 

蟹江町にある一軒家で、一家の次男(26)が出勤しないため、身を案じた上司と恋人が交番の巡査を伴って一家の自宅を訪ねたのが2009年5月2日の昼過ぎであった。

巡査が家を訪ねたところ、重傷を負った三男(25)が家の扉を開けて助けを求めたため、家の中に入ってみると次男が死亡しているのを発見。

 

犯人の林振華は、上司と恋人が巡査と共に訪れるまで半日以上にわたって家に滞在していた。

巡査も家にいた林を確認していたが、隙を見て逃走されてしまった。

翌日、母親(57)が死亡しているのも発見された。

蟹江一家殺傷事件概要

2009年5月1日の午後9時過ぎ、愛知県蟹江町の一軒家に侵入した中国籍の林振華(りんしんか)が室内を物色していると、家に住む女性(57)に見つかったため、持っていたモンキーレンチで殴って殺害した。

その後、帰宅した次男(26)ともみあいになって押さえつけると、次男に顔を見られたことから家にあった包丁で刺殺した。

 

翌日の未明に酔った三男(25)が帰宅すると、林は玄関で靴を脱いでいる三男を背後から襲った。

 

三男は警察に対して、帰宅して玄関で靴を脱ぐ際に背後から首を刺され、手足を縛られたと語っている。

犯人と会話した三男は犯人について、「ムリ」という単語を多用し、「外国人のようなイントネーションの日本語を話していた。」と話している。

他にも「こんなはずじゃなかった」といった趣旨の言葉を残していたという。

 

犯行後も犯人は、住居に残って一階の床の血痕を念入りに拭き取ったり、洗濯機を使って証拠隠滅を図り、夕食にも口をつけている。

その後は、次男の上司と恋人が巡査を伴って自宅を訪ねてきた際まで居座り続け、巡査のスキをついて逃走している。

遺留品と犯人像

犯人が現場に残したのは、強い体臭を放つ長期間着ていたと思われる薄汚れたグレーのパーカー、凶器に使用したモンキーレンチとクラフトナイフ、防寒用の手袋、使い捨てのマスク、夕食を口にする際に使ったお椀に付いた唾液だった。

お椀に着いた唾液からO型の血液型と判明、O型は一家にいないことから犯人のものと断定された。

 

2009年12月、警察庁は懸賞金の対象事件とした。

犯人の中国人逮捕

林振華(りんしんか)

 

2012年12月7日に自動車の窃盗事件で中国国籍の林振華(29)が逮捕された。

 

林振華のDNAと蟹江一家殺傷事件の遺留品のDNAが一致したため、強盗殺人および強盗殺人未遂で林振華を逮捕した。

林振華は、蟹江町にある一軒家で3人を殺傷した当時は三重県大学の留学生だったが、逮捕時は無職だった。

 

事件当時の動機について「金に困っていた」からと語っている。

林被告の両親が死刑回避の訴え

2009年に、愛知県蟹江町で山田喜保子さん(当時57歳)と、次男の雅樹さん(当時26歳)を殺害し、現金を奪ったなどの罪に問われている中国籍の林振華被告(31)の裁判で、被告の両親が出廷した。

両親は複雑な心境を語り、山田さんの遺族に対しては「1万回謝罪しても足りない」とした上で、遺族が死刑を望んでいることについて、「生きて罪を償ってほしい」と死刑の回避を訴えた。

一審、二審と死刑判決

6年前、蟹江町の住宅で、山田喜保子さんと次男が殺害されたうえ、現金が奪われた事件で強盗殺人などの罪に問われた中国籍の林振華被告に対し、名古屋高裁は14日、一審と同じ死刑判決を言い渡しました。

名古屋高裁の石山容示裁判長は、「一審は偏りのない慎重な判断であり、量刑が重すぎて不当とは言えない」と、被告側の訴えを退けました。

「とりあえず一安心という形ですね
(判決が)変わらなくてよかった」
(事件で母と兄を亡くした 山田 勲さん)

弁護側は判決を不服とし、最高裁に上告しました。

『テレビ愛知』

死刑が確定

2018年9月、最高裁は、「強固な殺意に基づく執拗かつ無慈悲で残酷な犯行で、刑事責任は極めて重大だ。窃盗事件の罰金支払いのためという身勝手な動機に酌量の余地はない」と述べた。

これにより林振華の死刑が確定した。