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大阪市西成替え玉連続殺人事件は、大阪市西成のスナック経営の中国籍の女性「尹麗娜(イン・リナ)」が主犯の殺人事件。

 

2001~02年に遺産相続目的で夫と「替え玉」の男性2人の計3人を殺害したとして、殺人などの罪に問われた中国籍の尹麗娜(イン・リナ)被告(55)の控訴審判決が20日、大阪高裁であった。古川博裁判長は「一審判決に事実誤認はない」として、無期懲役とした一審・大阪地裁判決を支持し、検察側・弁護側双方の控訴を棄却した。

古川裁判長は判決理由で、傷害致死罪が適用された夫の加藤善一郎さん(当時77)の事件について「被告の殺意は認定できない」と指摘。加藤さんの替え玉として殺害されたとされる知人の高木清さん(同71)の事件は「被告の犯人性を認定するのは困難」などとし、一審判決通り無罪とした。

尹麗娜

 

 

 

 

 

 

尹麗娜(イン・リナ)被告

最初の発覚

2002年4月、東北で一人暮らしをしていた女性のもとに大阪市役所から「転入届の書類に記載ミスがあった。」という電話がかかってくる。

また、短期間で実家のある大阪と東北の現住所の間で二度にわたって住所を変更する手続きがあった。

大阪に実家があった女性は、何十年も現住所に住んでおり、全く身に覚えがなかった。

薄気味悪いと感じた女性が戸籍を取り寄せて調べてみると、父親が2か月前に死亡していたことが分かった。

不安を覚えた女性は、警察に相談しようと思い、大阪の警察署に相談する。

 

警察が調べると、父親が再婚していたことが分かる。だが、再婚から半年後、父加藤善一郎さんは死亡し、死亡届が出される。

また、不可解なことに死亡届が出されたのが父にも娘にとっても縁もゆかりのない土地石川県だった。

また、娘は3姉妹だったが、他の姉妹も事件について何も知らなかった。

そこで石川県警に問い合わせ、検死の際の写真を取り寄せて娘に見てもらうと写真は父親とは別人の顔だった。

財産強奪

警察が父親の土地について調べると、本来であれば法定相続分は配偶者と子供で2分の1ずつだが、全ての土地380坪が妻である尹麗娜(イン・リナ)が相続していたことが発覚する。

そこで、遺産相続を担当した法務局の職員に話を聞くと、3姉妹のうち次女と三女は遺産を放棄し、長女がすべての土地を相続することとなる。

しかし、この話は本当の娘は知らず、遺産相続に参加した人間は全て身替わりであった。

本来であれば相続権のある娘達の知らないところで勝手に財産が尹麗娜(イン・リナ)のものとなっていたことになる。

逮捕

事件から1か月してイン・リナの共謀者越田俊昭被告が窃盗の容疑で捕まる。

警察が取り調べると、越田はあっさりと自供する。

 

イン・リナが経営していたスナックの常連客であった越田は、イン・リナから相談を受けたことで事件にかかわる。

 

夫の加藤善一郎さんの財産を狙ったイン・リナは、加藤善一郎さんを殺害。

その後、イン・リナは、糖尿病のホームレスを探し、加藤さんの身替わりとして病院に入院させる。

次に、病気が回復していないにもかかわらず、一時退院させ越田に石川県のとある一軒家を静養先として紹介する。

そして、糖尿病のホームレスを拘束して監禁し、糖尿病の薬インスリンを与えずに死亡させる。

その後、あくまでも病死として通報し、警察も疑うことなく、検視の結果も病死とされる。

 

高木清さんは、最初の身替わりとして目をつけられたが、血糖値が正常に戻り、後日、バラバラ遺体となって発見される。

おそらく血糖値が正常になったことから、身替わりが務まらないとイン・リナに判断され殺害されたもよう。

 

まんまと加藤さんの財産を相続したイン・リナと越田だが、越田は分け前が少なく、与えられた分け前も睡眠薬で眠らされたスキに持っていかれてしまう。

金に困った越田は、窃盗をして別件逮捕され、事件が明るみになる。

判決

主犯 尹麗娜(イン・リナ) 無期懲役

共謀者 越田俊昭 懲役15年

 

加藤善一郎さん(77)の遺体は今も見付かっておらず、行方不明のままである。