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福島女性飲食店経営者殺人事件は、平成2年(1990年)5月に福島西白河郡矢吹町にある飲食店の経営者が金銭目的で殺害された事件。

犯人の高田勝利(当時51歳)には、以前にも埼玉で強盗殺人を犯しており、無期懲役の判決を受けた過去があった。

仮出所から3か月後の犯行だった。

福島女性飲食店経営者殺人事件概要

平成2年(1990年)2月に刑務所を仮出所した高田勝利(51)は、カメラ部品や音響製品の組み立て工場を経営していた従兄弟を頼って福島県に行った。

高田は、昭和42年(1967年)2月に埼玉県の川越市で起こした強盗殺人事件で、無期懲役の判決を受けて千葉刑務所に服役していた。

 

高田は、同年5月にスナックのホステスと東京旅行を計画し、旅行費用のために家の近所にある飲食店に強盗に入ることを計画した。

飲食店の女性経営者(41)とは馴染みの関係だった。

 

2日午後、開店前の女性経営者に、会社の人間を連れていくので早めに店を開けてもらうよう電話で頼み、女性経営者に通常の開店時間よりも早く店を開けさせる約束をした。

 

その後、高田は工場から600グラムのハンマーとバールを持ち出して午後5時の開店前に店を訪ねた。

もともと高田と馴染みだった女性経営者が店を開け、女性が気を許して開店準備のためにカウンターの拭き掃除をはじめたところ、背後から近づきハンマーで女性の後頭部を殴打し、続けざまに顔面や側頭部に何度もハンマーで殴打した。

後日、警察が遺体を調べると傷は40数か所にも上ったという。

 

高田は、女性殺害後、店内の自分の指紋をふき取り、2万5千円が入った財布をバッグごと盗んで逃走した。

凶器と犯行時にはいていたサンダルを逃走の途中で土に埋め、計画通りホステスと東京へ旅行した。

土に埋めたサンダルが近くの女性に発見され、犯人逮捕の重要証拠となった。

 

その後、事情聴取後に自殺未遂を図ったが、裁判では反省の態度を見せず、被害者らに理不尽な言動を繰り返すといったことをした。

経歴

高田勝利は、以前にも殺人を犯している。

強盗、業務上横領などで3度服役した後、昭和42年1月にクリーニング店勤務の元同僚女性を絞殺して1万9千円を盗んだ。

そして、絞殺した女性の身元がバレないように衣服を脱がして裸にし、放置して逃走した。

 

昭和42年4月、高田は一連の事件で無期懲役の判決を受けた。

 

千葉刑務所に服役していた高田は、22年後の平成2年2月に仮出所した。

死刑判決

高田は、裁判では反省の態度を見せず、被害者らに理不尽な言動を繰り返した。

1992年、非道な犯行と反省のない態度から、更生は困難として死刑の判決が言い渡された。

高田は控訴しなかったため、死刑が確定した。

公判中に重要証拠となったサンダルを発見した女性に対して、「サンダルありがとう、あなたのことは忘れないよ」といった恨み言を述べている。

 

1999年9月10日、仙台拘置所で高田の死刑が執行された。

享年61歳。