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悪魔の詩訳者殺人事件

悪魔の詩訳者殺人事件は、1991年7月12日に筑波大学で起きた殺人事件。

清掃員の女性が全身血だらけとなっていた男性を発見し、救急隊が駆けつけたときにはすでに心臓は停止しており、搬送先の病院で死亡が確認された。

被害者男性

亡くなった被害者の男性は、筑波大学で助教授を務めていた五十嵐一さん44歳であった。

男性の遺体には、無数の鋭い刃物による創傷があり、頸部の動脈と静脈が切断され失血死していた。

首はズタズタに切り裂かれており、全身が血だらけだった。

悪魔の詩

事件の一週間前、イタリアのミラノで「悪魔の詩」を翻訳した人物が全身をナイフで刺され、重傷を負っていた。

「悪魔の詩」は、1990年にインド出身のサルマン・ラシュディが著いた小説。

悪魔の詩の内容についてイランの最高指導者が「反イスラム的である」として批判しており、著者と出版に関わった物を処刑することを宣告していた。

この悪魔の詩の翻訳をした日本人が殺された五十嵐さんだった。

イランの反政府組織の犯行声明

事件の3日後には、イラクのバグダッドに拠点を置くイランの反政府組織が、犯行声明を送っており、犯行声明によると、イラン国内でいくつかの暗殺団が組織され、「悪魔の詩」に関わった人物を処刑するとのことだった。

事件直後、茨城県警は、警察庁を通じて東京入国管理局に照会を行っており、報告書の中にはバングラディシュ人をマークしていたことが記されていた。

バングラデシュ人は、事件後、直ちに出国していることから事件に関与している疑いがあるとしていたが、当時の日本政府はテロとの戦いを覚悟できなかったため、捜査は打ち切られたといわれている。